機能的神経疾患センター(機能神経外科)

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医師紹介

山本 一徹

山本 一徹センター長

専門分野

機能神経外科

経歴

2010年札幌医科大学 卒業
東京女子医科大学脳神経外科 平 孝臣教授およびトロント大学Toronto Western Hospital脳神経外科 Andres Lozano教授のもとで機能神経外科を学び、多数の手術を経験。

専門医・認定医等

  • 日本定位・機能神経外科学会技術認定医
  • 日本脳神経外科学会専門医・指導医
  • 日本脊髄外科学会認定医
  • 日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科専門医

定位的脳手術(高周波脳凝固術、脳深部刺激療法、集束超音波)に加え、脊髄刺激療法、髄腔内バクロフェンも執刀。周術期管理や外来診療も行います。

TOPICS

ドキュメンタリー番組「情熱大陸」で山本一徹医師の特集が放送されました

  • 放送日時:2024年1月14日(日)23:25~
  • 内容:「日常生活を阻害する“震え”と闘う!3 種の術式を操る若きパイオニア」
  • 番組ホームページ:https://www.mbs.jp/jounetsu/2024/01_14.shtml

機能的神経疾患とは?

ふるえやこわばり、パーキンソン病症状を手術で改善

手足や頭などのふるえ、身体の一部または全体のねじれ・意図せず関節が曲がったり伸びたり、手足や首のこれらの症状は、しこわばりなど、神経系の異常が原因となって身体の運動などに異常をきたす病気を総称して、機能的疾患と呼び、これらを改善するために外科的治療を行うのが、機能神経外科です。
これらの症状は、しばしば日常生活に大きな支障をきたし、生活の質を低下させます。当センターでは、これらに対し、機能神経外科治療を専門に行います。

対象となる疾患

パーキンソン病、本態性振戦、脳卒中後などその他の振戦、ジストニア(全身性、節性、イップス、書痙、音楽家、職業性等の局所性ジストニア)、難治性疼痛、ハンチントン舞踏病、チック(トゥーレット症候群)、その他の不随意運動など、

パーキンソン病

ドパミン神経細胞の減少により、体のスムーズな運動調節に必要なドパミンが減少することで動作緩慢、振戦、筋固縮、姿勢保持障害などの運動症状を引き起こす、国の指定難病の1つです。
動いていない時に手や足など体の一部がふるえる、体がこわばる、動きが減る、動きが遅くなる、歩く時にバランスが崩れやすくなる、といった症状(パーキンソン症状)が現れます。ふるえのみが目立つ方も、多様な症状が見られる方もいます。左右どちらかの症状がより悪いことが多いです。発症から年数が経つほど症状が悪くなっていきます。

飲み薬による治療が基本ですが、病気が進行したり、薬の副作用があったりして、日常生活に支障をきたせば、当センターで行っているような手術が治療選択肢になります。

パーキンソン病の四大運動徴候

パーキンソン病の手術治療

治療法の例:脳深部刺激療法、集束超音波、高周波熱凝固術など

パーキンソン症状を改善するための手術ですが、手術を受けることで、飲み薬の量を減らせたり、薬の副作用(ジスキネジア)を改善したりできる場合もあります。

本態性振戦(ほんたいせいしんせん)

体の一部がふるえる病気です。「本態性」は「原因がはっきりしない」、「振戦(しんせん)」は「自分の意思に反して起こる、規則正しいリズミカルなふるえ」という意味です。
字を書く時や水を飲む時、箸を使う時など、主に手を動かす時にふるえますが、足や首がふるえる方もいます。加齢とともにふるえが強くなる傾向があります。家族や親戚内で同様にふるえる方がいる場合も多いです。手のふるえから字が書けなくなる、箸をうまく使えない、茶碗やコップを安定して持つことができないなど、日常生活に不自由をきたすことの多い病気です。
まず行われるのは薬物治療ですが、薬剤抵抗性を示す(薬の効果が乏しい、あるいは合併症や副作用のために薬を用いることができない)場合には手術を検討します。

日常生活に不自由をきたすことが多い病気です

本態性振戦の手術治療

治療法の例:集束超音波、高周波熱凝固術など

ジストニア

体の一部または全身に無意識に力が入ったり、こわばったり、引きつれたり、ねじれたり、固まったりします。
音楽家に見られる手や足、口のジストニア(ピアノの鍵盤がうまく弾けない、ギターの運指がうまくいかない、ドラムがうまく叩けない、吹奏楽器をうまく吹けない・押さえられないなど)、字を書くとき指が勝手に曲がったり伸びたり力が入ってこわばったりする書痙(しょけい)、野球選手やゴルファーなど、様々なスポーツ選手に見られるイップス、理美容師の方のハサミがうまく使えない、頭が勝手に横を向く・首が勝手に傾いたり捻れたりする(痙性)斜頸(けいせいしゃけい)、まぶたが痙攣し開きにくくなる眼瞼痙攣、全身にこわばりやねじれが出現する全身性ジストニアなど、色々なジストニアがあります。ジストニアには、ふるえを伴う場合もあり、ジストニア振戦と呼ばれます。遺伝性とそうでないジストニアがあり、遺伝性のものには、その原因遺伝子が特定されているものも多数あり、家族や親戚内でジストニアを発症する方もいます。
飲み薬やボトックス注射による治療を行っても症状がよくならない場合など、当センターで行っているような手術が治療選択肢になります。

ジストニアの例

眼瞼痙攣
痙性斜頸
書痙

職業性ジストニアの例

音楽家
スポーツ選手(イップス)
美容師、書記
ジストニアの手術治療

治療法の例:高周波熱凝固術、脳深部刺激療法など

難治性疼痛(なんちせいとうつう)

緩和の難しい慢性的な痛みです。原因は様々で、幻肢痛、複合性局所疼痛症候群(CRPS: complex regional pain syndrome)、糖尿病に伴う痛み、神経根障害性疼痛、神経叢障害性疼痛といった末梢神経痛、脳梗塞や脳出血といった脳卒中の後に起こる痛み(視床痛など)、脊椎・脊髄手術を行っても改善しない背中や腰、脚の痛み(脊椎手術後症候群; FBSS: failed back surgery syndrome)などが含まれます。

難治性疼痛の手術治療

治療法の例:脊髄刺激療法、高周波熱凝固術など

当センターにおける治療

多くの場合、飲み薬による治療から開始するのが基本ですが、治療効果が不十分な場合や、アレルギーや副作用等で飲み薬が身体に合わない場合など、手術治療が選択肢となります。
※当センターの治療は原則、保険適応となりますので、お気軽にご相談ください。

定位的脳手術(ていいてきのうしゅじゅつ)

特殊な装置を用いて、脳の異常部位やその関連部位に、ミリ単位あるいはミクロン単位の非常に高精度な治療を施します。これには以下のような治療法があります。

脊髄刺激療法(せきずいしげきりょうほう)

背中から脊髄硬膜外腔と呼ばれる脊髄のすぐ外の空間に電極を入れ、脊髄を電気刺激し、主に慢性疼痛を改善する治療です。脊椎・脊髄手術を行っても改善しない背中や腰、脚の痛み(FBSS)、複合性局所疼痛症候群(CRPS)や糖尿病に伴う痛みなどが治療対象となります。

よくあるご質問(FAQ)

手術費用は高額なのでしょうか?

当センターの治療は原則、保険適応となります。また、高額療養費制度や限度額適用認定を利用することができますので、自己負担額が抑えられます。

遠方に住んでいるのですが、治療可能ですか?

当センターでは、全国どこからお越しいただいても診療を行います。通院等に関してご不安があっても、最適な治療選択肢をご提案いたします。

手術の対象になるのか、わかりません。

お困りの症状のある方は、お気軽にご相談ください。
当センターで治療対象となる疾患は、診断が容易でない場合も多く、長年症状に悩まされているにもかかわらず診断がわからなかったり、診断されても治療可能であることがあまり広く認識されていなかったりと、なかなか適切な治療にたどり着けずにいる方が多いのが現状です。

症状に心当たりのある方や、そのご家族の方へ

当センターとして最大限お力になれるよう、最善の治療法を検討させて頂きます。上記のような症状でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

「脳の手術は怖い」「失敗したらどうしよう」など、心配に思う方もいらっしゃるでしょう。ご不明・ご不安な点は、ご遠慮なくご質問・ご相談ください。可能な限りわかりやすくご説明し、ご納得いただいた上で、治療法を決定します。

※本ウェブサイトでは、医療者でなくとも可能な限りわかりやすいような表現を使用するよう努めています。万が一、わかりにくい内容がございましたら、ご遠慮なくご質問ください。

治療を受けるにあたって

診察前に動画のご視聴をお願いします

予め治療についてご理解いただくことで診察がスムーズになります。

当センターは予約制となっております

当センターは予約制にて診療を行ないます。ご予約は「診察お申し込みフォーム」またはお電話にてお申込みください。

紹介状について

紹介状をお持ちの場合は、初診受付時に総合受付にお出しください。
紹介状が無くても受診いただけますが、その場合、保険外併用療養費(選定療養費)を税込7,700円(令和6年10月1日以降の金額)保険診療分とは別にご負担いただきますのでご了承ください。
選定療養費については「紹介状について」のページをご参照ください。

ご予約
0466-35-1350 (予約センター)
予約センター受付時間
月~金曜日9:00~16:30、土曜日9:00〜14:00/日曜日・祝日は除く

医療機関、かかりつけ医の先生方へ

当センターへのご紹介について

「投薬治療で十分改善しない」「疾患が悪化してきた」という時に、「手術」という選択肢をご検討ください。
手術に関連する評価やフォローは当センターで行いますが、原則、当センターでは処方継続や投薬調整等を行わず、かかりつけ医の先生のところで診て頂くのが、患者さん、かかりつけ医、当センターの三方にとって、あるべき形だと考えております。
実際、当センターで治療後も、内服治療を継続する等の目的で、かかりつけ医を変更することなく継続して受診し続ける方が大半です。

かかりつけ医の先生で、紹介しても手術適応にならないのではないかとご心配の方もいらっしゃるかもしれません。手術適応等の判断は、当センターで、じっくり問診や診察を行って判断します。紹介元の先生方には、手術適応になるか否かはお気になさらず、ぜひ、気兼ねなくご相談頂けると幸いです。⁡

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