本態性振戦の新治療【経頭蓋MRガイド下集束超音波治療(MRgFUS)】

経頭蓋MRガイド下集束超音波治療(MRgFUS)

2019年6月1日より、薬剤抵抗性の本態性振戦を対象とした、経頭蓋MRガイド下集束超音波治療(MRguFUS)が保険適用となりました。
※日本国内有効の健康保険証をお持ちの方のみ。それ以外の方は引き続き自由診療となります。

経頭蓋MRガイド下集束超音波治療(MRgFUS)について

MRIでリアルタイムに治療ターゲットの位置と温度をモニタリングしながら、約800~1000本の超音波を一点に集束させてターゲットを熱凝固し、破壊する治療です。

2016年12月、本態性振戦の治療用医療機器として薬事承認を受け新規の治療法として注目を集め、2019年6月より保険収載として承認されました。

従来、薬物療法で効果を得られない症例に対しては、頭蓋骨に小さい孔を開けて(穿頭:せんとう)、電極を脳に刺入・留置する手術が必要でしたが、MRgFUSでは頭蓋骨や脳を傷つけることなくターゲットのみを熱凝固するので、侵襲性が低いことが特徴です。当院では早期より本態性振戦やパーキンソン病に対する臨床試験を実施して、複数症例に対する治療を経験しております。

本態性振戦とは

「本態性」は「原因がはっきりしない」、「振戦(しんせん)」とは「自分の意思に反して起こる、規則正しいリズミカルなふるえ」という意味です。手のふるえから字が書けなくなる、茶碗やコップを持つことができないなどが特徴的な症状で、日常生活に不自由をきたすことの多い病気です。まず行われるのは薬の内服ですが、薬剤抵抗性を示す(薬の効果が乏しい)症例も存在します。

※ランプ点灯:照射中

治療の対象となる方

現在、薬剤抵抗性を示す、あるいは、何らかの理由で薬の内服を継続することができない本態性振戦の患者さまで、日本国内有効の健康保険証をお持ちの方が、保険診療の対象となります。治療をご希望の方は主治医(かかりつけ医)からの紹介状をご準備の上、当院宛にお問合せ下さい。
※日本国内有効の健康保険証をお持ちでない方は、自由診療となります。

医療機関からの御紹介についての御願い

適応・除外基準について
  • 集束超音波による片側視床破壊術の適応は、少なくとも2剤以上の薬剤 (β遮断薬・クロナゼパム・プリミドンなど)の充分量を用いても振戦の改善が認められない、または有害事象によってそれらの薬剤を継続することができない本態性振戦症例です。薬剤でコントロールできている本態性振戦は対象としておりません。また、振戦優位型パーキンソン病については保険収載されておりませんので治療をお引き受けできません。同疾患に対する当科での臨床試験は募集を終了しており、薬事承認されていないことから自由診療も受け付けておりませんので御了承下さい。
  • 当科の集束超音波外来は上記の対象患者さまのための初診枠です。本態性振戦と診断を確定できていない場合の御紹介 は通常の初診枠への御紹介を御願いいたします。
御紹介に際してあらかじめ下記を患者さま・御家族さまに御説明下さい
  • 治療では覚醒下にMRIのテーブル上で3~4時間、横臥することになります。このことに同意することのできない患者さま、またはその意思がない患者さまは本治療の対象外となります。
  • 現時点で、両側治療は安全性が担保されておらず、片側治療となります。
  • 血小板数 10万未満 あるいはPT-INR 1.1以上の場合や、頭蓋骨密度比 (Skull Density Ratio, SDR) 0.3未満の症例については治療チーム内で協議した上で、治療の可否を判断いたします。
  • 抗血小板剤・抗凝固剤を投与されている症例についても治療チーム内で協議した上で、治療の可否を判断いたします。
  • 上記以外にも除外規定があります。
  • ※御紹介に際しては治療の1週間前からの抗血小板剤・抗凝固剤の休薬の可否について情報提供を御願いします。

お問い合わせはこちら

なお、認知症状を有していないことや、止血凝固系に異常を認めないこと、頭蓋骨密度比が一定の数値以上を示すことなど、複数の条件を満たすことが必要となります。規定の条件を満たさない場合は治療を行うことができませんので御了解下さい。

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