(服部 滋)
― 大動脈瘤「紹介のタイミング」について ―
2025年10月30日、近隣の開業医の先生方を対象に、地域医療連携講演会「第2回 辻堂CardioテラスMeeting」を開催しました。
当科からは藤縄医師が「どの時点で心臓外科へ?~大動脈瘤の紹介基準を整理する~」という演題で講演を行いました。


講演の内容
大動脈瘤は、多くが無症状で進行する一方で、破裂、解離時の致死率が非常に高い疾患です。
講演では、日常診療でしばしば遭遇する「どのタイミングで専門科に紹介すべきか」をテーマに、具体的な基準とその根拠、エコーとCTの測定値の違いを提示しわかりやすく解説しました。
紹介の目安
- 胸部・腹部大動脈瘤:CTで45mm以上を目安に、専門科紹介を推奨
- エコーで40mm以上あれば、まずはCTでの精査を
- 症状(背部痛・嗄声など)や半年で5mm以上の拡大、大動脈疾患の家族歴・遺伝性疾患がある場合はサイズに関わらずご相談を
メッセージ
「紹介=手術というわけではありません。
早めにご紹介いただくことで、計画的な術前評価や安全なフォローアップが可能になります。湘南地域全体で大動脈瘤患者さんを守る体制を築いていきましょう。」
講演はデータに基づいた明快な内容で、参加された先生方からも「すぐに臨床で活かせる」と高い評価をいただきました。
当科では、今後も地域の先生方と連携し、患者さんにとって最善のタイミングで治療が行えるよう努めてまいります。
医師向けの内容にはなりますが、興味のある方は一度ご覧ください。
