集中治療科

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診療科・部門
集中治療科

集中治療科は病院の中央診療部門のひとつである集中治療部（ICU: Intensive Care Unit）を統括して、12床のベッドで重症患者の集学的治療を行います。大きな手術を受けた方、救急車で搬送された重症の方、入院中の方の容態急変にすみやかに対応して全身管理を行う部門です。

集中治療とは、外科や内科といった診療科・臓器にかかわらず呼吸、循環、脳神経や代謝疾患などを単一ではなく、複数かかえた最重症の方々に対して、人工呼吸管理、血液浄化療法やECMOなどの体外循環装置を用いて、最高度の治療とケアを行うことにより機能回復をはかり救命することです。一方で単に救命するということだけでなくICUを退室して一般病棟を経て、ご自宅にお帰りになり社会復帰されるところまでを念頭に置き、機能回復を含めた治療を行う時代になっております。ICUに入室中よりその後の生活を意識した看護ケア、栄養管理、リハビリテーションや服薬管理が求められており、当院でも実践につとめてまいります。

日本のICUの多くは、集中治療専門医が常駐していないのが現状です。海外の報告によると集中治療専門医がICUに専従している施設は治療成績が良好であると言われています。したがって当院においても専従医確保と常時各専門診療科の治療に関与できる体制を構築、維持できるようにして行く所存です。

また治療は言うまでもありませんが、スタッフ教育も重要な役割となります。当ICUは日本集中治療医学会の専門医研修施設を目指し、専門医の育成と若手医師を中心とした多職種の教育を担います。刻一刻と変化する病状を、多職種カンファレンス（医師、看護師、薬剤師、理学療法士、臨床工学技士、管理栄養士、他スタッフ）で議論し、治療計画を共有して、教育にも反映させたいと考えております。

「集中治療科」は日本ではまだ標榜が可能な診療科ではありませんが、その重要性が認識されつつあります。これから、多くの病院で集中治療科が開設されるようになることと思われます。そのさきがけとして湘南地区のみなさまに安心安全な重症患者診療をご提供してまいりますのでよろしくお願い申し上げます。