味覚嗅覚外来

味覚嗅覚外来とは?

耳鼻咽喉科では、聴覚・味覚・嗅覚と5感のうち3感を扱います。本外来では味覚及び嗅覚を専門的に扱います。月・火の午後の予約外来となります。お手数ですが電話で予約をお取り下さい。クリニックからの紹介状があれば、ご持参下さい。
新型コロナウイルス感染症の後遺症としての味覚嗅覚障害の診療は、発症後1ヶ月以上経過しても自然回復しなかった場合が対象になります。

味覚

味は5つの基本味で構成されています。甘味、塩味、酸味、苦味、うま味です。これらに加え、舌触り、歯応えといった知覚情報、視覚情報や嗅覚による「風味」が加わり、人間は食べ物を楽しむことができます。

味覚障害の種類

  • 味覚減退 「味が薄くなった」
  • 味覚消失・無味症 「全く味がしない」
  • 解離性味覚障害 「甘味だけがなくなった」
  • 異味症 「なんだか変な味がする」
  • 自発性味覚異常 「何も食べてないのに口の中が苦い」

などの疾患があります。

味覚障害の原因

亜鉛欠乏性、薬剤性、全身疾患性、心因性、中枢性、風味障害、鉄欠乏性等原因は多岐に渡ります。またこれと言った原因が特定できない「特発性」も2割程度認め、治療が難渋することがあります。

味覚障害の診療

当科では濾紙ディスク検査、血液検査、場合によっては画像検査を組み合わせて原因を検索します。治療の中心は亜鉛補充療法です。改善率は70-80%と言われています。

嗅覚

嗅覚は鼻腔の上方の嗅裂部と言われる部位に存在する嗅細胞で匂い分子をキャッチします。ヒトの匂い受容体は400種類程度ですが、組み合わせによって数十万種類の匂いを嗅ぎ分けることが出来ます。

嗅覚障害の種類と診療

1.気導性嗅覚障害

匂い分子を含んだ空気が嗅裂部に到達しない状態です。慢性副鼻腔炎、鼻茸等によるものが多いです。これらは手術によって改善が見込めます。

2.嗅神経性嗅覚障害

嗅細胞自体がダメージを受けている状態です。この代表疾患が新型コロナウイルスを含むウイルス感染症による感冒後嗅覚障害です。この病態は難治でしたが、現在、漢方薬とリハビリテーション(後述)が有用と考えられています。

3.中枢性嗅覚障害

頭部外傷、脳梗塞後遺症、パーキンソン病、アルツハイマー型認知症など脳の疾患による嗅覚障害です。これらによる嗅覚障害は難治と言われています。

嗅覚リハビリテーション

前述した感冒後嗅覚障害に対し嗅覚リハビリテーションが有効なことが昨今の研究で分かってきています。当科ではアロマオイルを使用した嗅覚リハビリテーションを行い、嗅覚の回復を目指します。
また感冒後嗅覚障害よりも治りにくい原因不明の嗅覚障害、外傷後、認知症初期段階の嗅覚障害の患者さんに対しても嗅覚リハビリテーションを行います。 詳細は味覚嗅覚外来を予約・受診し、担当医にご相談ください。

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