手術費用について

手術費用について(心臓血管外科)

心臓大動脈の手術と聞くと高額になるイメージがあると思いますが、日本には「高額療養費制度」という、金銭面の負担を軽減する制度があります。
国民健康保険の加入者が病気やけがで医療機関にかかり、医療機関窓口において負担した額(一部負担金)が自己負担限度額を超えた場合、申請により、その超えた額が高額療養費として支給される制度です。
詳しくは、当院の入院案内(1階8番窓口)でご確認いただけますが、こちらのページでもご案内させていただきます。

まず、入院、手術となった場合、治療にかかる費用の総額(総医療費)はおおよそ下記の通りです。

手術名 総医療費 自己負担3割 自己負担1割
冠状動脈バイパス術 約450万円 135万円 45万円
人工弁置換術(1弁) 約500万円 150万円 50万円
人工弁置換術(2弁) 約600万円 180万円 60万円
人工弁置換術(3弁) 約700万円 210万円 60万円
弁形成術 約450万円 135万円 45万円
上行胸部大動脈人工血管置換術 約450万円 135万円 45万円
弓部大動脈人工血管置換術 約600万円 180万円 60万円
腹部大動脈人工血管置換術 約350万円 105万円 35万円
胸部ステントグラフト内挿術 約500万円 150万円 50万円
腹部ステントグラフト内挿術 約350万円 105万円 35万円

総医療費は高額になりますが、医療保険制度により年齢・所得に応じて0割~3割の自己負担分として患者さまへご請求させていただきます。
ただし、3割の自己負担でもかなりの高額となる場合があります、自己負担が高額となった場合、年齢・所得に応じた高額療養費制度を利用することにより、ご入院にかかる自己負担額を下記の通り軽減することができます。(個室等差額ベッド代除く)
高額療養費制度の利用には保険者への申請が必要となり、申請により交付される「限度額適用認定証」および「限度額適用・標準負担額減額認定証」の提示をもって初めて適用されます。または、マイナ保険証の利用等でも適用は可能です。

70歳未満の方の自己負担限度額(月額)

所得区分 自己負担限度額(月額) 食事負担額(1食分)

(本人の月収(注1) 83万円以上)
252,600円 +(総医療費-842,000)×1% 490円(1日3食で1,470円)

(本人の月収53~79万円以上)
167,400円 +(総医療費-558,000)×1%

(本人の月収28~50万円以上)
80,100円 +(総医療費-267,000)×1%

(本人の月収26万円以上)
57,600円

(住民税非課税者)
35,400円 230円(1日3食で690円)

注1 「本人の月収」とは「標準報酬月額」と表記され、月々の給料(手当含む)を等級に分けて表したもので社会保険料の算出 等で利用される指標となります。

例)弓部大動脈人工血管置換術を受けられた65歳男性 本人の月収45万円「ウ」に該当する方が14日間ご入院の場合
  1. 医療費

    80,100円 + 57,323円(※1) = 137,423
    ※1 (6,000,000円(総医療費)- 267,700)× 1%

  2. お食事代

    490円(1食) × 3(1日3食分)× 14日間 = 20,580

  3. 合計金額

    137,423円 + 20,580円 = 158,003

つまり、お支払いはおおよそ16万円ということになります。

70歳以上の方の自己負担限度額(月額)

所得区分 自己負担限度額(月額) 食事負担額(1食分)
現役並み3
(70歳以上で収入月83万円以上の方が1人でもいる世帯)
252,600円 +(総医療費-842,000)×1% 490円
(1日3食で1,470円)
現役並み2
(70歳以上で収入月53~79万円以上の方が1人でもいる世帯)
167,400円 +(総医療費-558,000)×1%
現役並み1
(70歳以上で収入月28~50万円以上の方が1人でもいる世帯)
80,100円 +(総医療費-267,000)×1%
一般世帯
(70歳以上で収入月26万円以下の方が1人でもいる世帯)
57,600円
低所得2
(住民税非課税者)
24,600円 230円(1日3食で690円)
低所得1
(注2)
15,000円 110円(1日3食で330円)

注2 住民税非課税世帯で、世帯収入が一定基準以下の方

例)人工弁置換術(1弁)を受けられた75歳女性(一般世帯)が20日間ご入院の場合
  1. 医療費

    57,600

  2. お食事代

    490円(1食) × 3(1日3食分)× 20日間 = 29,400

  3. 合計金額

    57,600円 + 29,400円 = 87,000

つまり、お支払いはおおよそ9万円ということになります。

※高額療養費制度の申請先は、保険者(国保:お住まいの各自治体、社保:協会けんぽ・健康保険組合等もしくはお勤め先)。
※自己負担限度額の上限はひと月ごとでの計算となり、月をまたぐと再度同様の限度まで自己負担がかかります。

・マルファン症候群(指定難病)など難病医療費助成制度の対象疾患治療に伴う手術であれば、該当する区分までの自己負担及び食事代の減額があり、重度障害者医療費助成制度に係る重度障害者医療証をお持ちの方は更に自己負担額が減額される場合があります。
※重度障害者医療証について、神奈川県以外の都道府県の方は入院時に適応されませんので、神奈川県外の患者様は各都道府県自治体へ制度のご確認をお願い致します。

ご不明な点等ありましたら、当院の1階8番窓口(入院案内)までお気軽にお問い合わせください。

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