Novalis-Tx(ノバリス-Tx)

当院では2012年10月、高性能の放射線治療装置「Novalis-Tx(ノバリス-Tx)」を導入しました。がんの形状に合わせた放射線照射で正常組織への影響を減らし、副作用の発生を抑えることができるIMRT(Intensity Modulated Radiation Therapy=強度変調放射線治療)という技術を活用した放射線治療に積極的に取り組んでおります。

Novalis-Tx

IMRTとVMATについて

IMRTはコンピュータ技術を活用した照射方法で、照射野(放射線を当てる範囲)の形状を段階的に変化させながら照射する治療法です。
放射線治療装置の照射口には、照射野を形作るマルチリーフ・コリメータ(MLC)という櫛の歯状の金属板が取り付けられており、がんの形状に合うようMLCの配置をコンピュータ制御し狙った部分への照射が可能です。

放射線治療装置の中で、照射口が付いたガントリという部分を段階的に動かし、強弱をつけた放射線を多方向から照射することで、がん組織への集中的な照射と周辺の正常組織への不要な照射の低減が可能になる仕組みです。これにより、副作用が少なく患者さんの身体に負担の少ない治療を行うことができます。

マルチリーフ・コリメータ

マルチリーフ・コリメータ

従来の放射線治療では照射中にMLCを動かすことができませんでしたが、IMRTの技術により可能となりました。IMRTは2006年に先進医療に適用後、2010年4月にすべての固形がん治療に対して保険適用となりました。

当院ではIMRTに加え、その進化版であるVMAT(Volumetric Modulated Arc Therapy=強度変調回転照射)にも積極的に取り組んでおります。保険適応はIMRTと同様となります。

通常のIMRTでは照射の瞬間にガントリは静止しますが、VMATはガントリを動かしながら回転照射を行います。その名のとおり、これがVMATの大きな特徴となっています。

SRTについて

SRTは、ピンポイント照射とも称される治療法です。脳脊髄や肺や肝臓の腫瘍を立体的にとらえ、多方向から集中的に高線量を照射させる方法です。「Novalis-Tx(ノバリス-Tx)」ではVMATを定位的に行うVMAT-SBRT(体幹部定位放射線治療)を適用し、誤差は1mmオーダーです。しかし、体幹部のがんは呼吸による移動があります。当科では320列CTで4次元CTを撮影し、呼吸性移動を加味した治療計画を作成しています。呼吸に合わせて照射することで、移動するがんに正確に照射することができ、周囲の正常組織への不必要な高線量照射を避けることができます。

VMAT-SBRT

肺がんのVMAT-SBRT
がんの形状に合わせて多方向から集中的に照射します

脱がない・描かない・触らない

「Novalis-Tx(ノバリス-Tx)」には、精度の高い画像誘導システムを同時に導入しており、赤外線マーカー、X線画像、CT画像などで三次元的に身体の位置を測定し、ずれを自動補正し位置決めを行うことができます。そのため、治療時に患者さんの身体にマジックペンでマーキングする必要がなく、検査着を着たまま治療を受けることができます。

治療の流れ

1診察
病状、検査所見から、専門医が治療方針やスケジュールを決定します。治療を進めていくうえでの注意事項など、放射線治療についてご説明します。
2治療計画用CTの撮影
治療計画用CTを撮影し、がんの位置・大きさ・形状を正確に把握します。必要に応じてMRI撮影、固定具の作成も行います。
3治療計画の作成
撮影した画像をもとにコンピュータで線量分布計算を行い、最適な照射法を検討し、治療計画を作成します。
4治療開始
治療計画に基づいて放射線を照射します。1回の治療は治療室への入室から退室まで約15分程度です。基本的に通院で、治療期間はがんの種類と部位によって異なります。
5治療後のフォローアップ
定期的に診察を行い、治療効果や副作用の状況を確認していきます。

より患者さんに即した、最適な治療計画を

治療計画とは、どのように放射線を照射するかをコンピュータによる線量分布計算で確認し、最適な照射範囲や照射角度を決めることです。高精密度の放射線治療を行うためには綿密な治療計画が必須です。この計算は複雑で、患者さん1人あたり数時間を要するため、治療計画作成に時間がかかります。

このため当院では、「レイステーション」という新しい治療計画システムを導入し、より高度な放射線治療計画を、高速で作成することが可能となりました。計算には遺伝的アルゴリズムを応用して、数学的に最適なプランを51通り同時に作成します。その中から臨床的に最適なプランを選択することで、患者さん一人ひとりに最適な治療計画が作成できます。

高い精度を維持しながら、患者さんに負担が少なく効果的な放射線治療をこらからも目指して参ります。

ご予約に関するお問合わせはこちら

地域医療連携室(直通電話)
電話番号 0466-35-1315
地域医療連携室(FAX)
FAX0466-35-1414
閉じる