大きく進歩するC型肝炎の最新治療

肝胆膵・消化器病センター センター長 岩渕 省吾

わが国の肝硬変、肝がんなど、成人病死因の上位を占める肝臓病の原因であり、先進国の中でも突出して感染者の多いC型肝炎ですが、最近、治療法に大きな進歩がみられています。C型肝炎の抗ウイルス療法は1990年以来、インターフェロン(IFN)が主体で行われ、一時は副作用で悩まされましたが、10年程前からは週一回の注射で良いペグIFNの登場で副作用も軽減し、経口剤の併用で約50%のウイルス排除と治療効果も格段と良くなりました。さらに3年前からは直接ウイルスに作用する経口薬が開発され、IFN併用で70%以上まで治癒率が上がるようになりました。

このように経口薬の開発、進歩には目覚ましいものがありますが、昨年、遂に経口薬2剤の組み合わせで、90%近くのウイルス排除を達成する薬剤が発売されました。これまで長年にわたり抗ウイルス療法の中心はIFNでしたが、経口薬のみで治る時代に入ったのです。また、今年も新しい経口薬が発売予定となっており、さらなる治療効果が期待されています。

これらの経口剤で良いところは、IFNのように副作用が目立たないことと、肝硬変まで進行していても治療可能なこと、さらにご高齢の方でも安全かつ効果的に治療が遂行できることです。一方、若干心配されるのは、C型肝炎ウイルスが新規薬剤に対して薬剤耐性変異を獲得し、急に薬が効かなくなり、ウイルスが増えること(ブレイク・スルー)があることです。事前に薬剤耐性変異の有無をチェックしますが、先々に出てくる新規経口剤への影響も考え、専門医の指導が必要です。今後も新薬開発の流れは続きますが、2015年は2000年にインタ-フェロンが登場して以来、C型肝炎治療に関しては記念すべき節目の年になるでしょう。

B型肝炎についても新薬が出て10年余りが経過しますが、肝硬変にならずに済んだ、ないし肝硬変でも大分良くなったなど、この薬の恩恵に授かっている患者様もたくさんいます。こちらも昨年第3世代の経口薬が発売されましたが、今やインタ-フェロンと併用してHBVを完全に封じ込め、キャリアを離脱しようかという時代です。

いずれにしろ、同じ肝臓病や消化器病でも、患者様ひとりひとり、程度や年齢、ご本人の体力など様々であり、治療法も多種多彩になっています。当センターでは「型通りではないオーダーメードの治療」を心がけています。また新規薬剤などは専門医でないと治療できない薬剤も出て来ました。過去、色々な病院で診てもらったけど上手く行かなかった、高齢になったが治療可能か、など何なりとご相談ください。

肝胆膵・消化器病センター
センター長 岩渕 省吾

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